実はひょんなことから語学留学でフィリピンのセブ島にいる僕なんですが、
部屋がドミトリータイプでして、2段ベッドが2つ用意されている4人部屋に滞在しています。
滞在日数は人によって違い、最短1週間から最長1年まで幅広い。
ちょうど、僕が入学した時に希望していた4人部屋が空いていなくて、3人部屋からのスタートとなった。
3人部屋と4人部屋の違いは何か??
それは、簡潔に説明すると、
- シングルベッドで寝れる
- 4人部屋より料金が少しだけ高い
これくらいかな。基本的な設備は一緒だ。
一週間が経過し、4人部屋へと移動になった。
この部屋は一種の独特感があり、曲者揃いのルームメイトだった。
おかげで、僕のセブ留学生活は波乱万丈な生活へと変貌していく。
ああ、夢を見ていたリゾートってなんだ??
って思ったけど、僕にリゾートや豪華なものは似合わないことに気が付いた。
部屋のこと、そしてルームメイトのことを紹介してくれた19歳の少年。
彼は6カ月の長期滞在者(いわゆる沈没組)だった。
沈没組とは悪い言い方かもしれないが、長期滞在しているとセブの生活リズムに流されてきて授業を怠けて、いつも欠席ばかりしている人々を、こう呼ぶ。
このいわゆる沈没組が集まる部屋だったのだ。
僕は、できるだけ接触しないようにと心に誓ったが、会話していると楽しいし、いろいろなことを教えてくれた。
そう、ダテに5カ月半も滞在しているわけではないのだ。
19歳の少年の得意技は「ポケモンGo」だった。
日本でもまだ熱狂的なファンがいるのか僕はよくわからないが、フィリピンではちょっとしたブームに火が付き始めていた。
このセブにしかいないポケモンを捕まえるため、彼は授業をサボり、外出。
その結果、本来観光客が行かない通りを歩いたり、セブの隠れた生活風景を一部始終目の当たりにしたという。
セブはリゾート地として海外から注目されているが、その背景には観光客の視野には決して入ることのない世界が広がっている。
僕も話のタネについて行ったが、そんな軽々しい気持ちで立ち入っていい場所ではなかった。
臭い、ごみ、犬、猫、浮浪者。
僕らが当たり前のように、水を飲んで、飯を食べて、英語勉強して。
そんな僕らと照らし合わせると申し訳なくて、肩が震えて涙が出そうになった。
申し訳ないが、目を合わせて直視できるレベルではなかった。
彼もポケモンGoで歩いたが、スマホをポケットに仕舞い、ゆっくりと通りを抜けた。
お互い、これからの人生を考えさせられる良い機会になった。
僕は語学の勉強より、社会勉強の方がタメになった。
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