今回は、近年注目されている健康管理の考え方、「プレコンセプションケア(Preconception Care)」について、分かりやすくご説明します。
「プレコンセプション」とは、「妊娠前」という意味です。つまり、プレコンセプションケアとは、将来の妊娠を考えている女性や、そのパートナーが、妊娠前の健康状態を整えることを指します。
これは、単に「赤ちゃんができる前に病院に行く」という一時的な行動ではなく、未来の家族のために、日々の生活習慣や心身の状態を見直す、予防的なヘルスケアの取り組みです。
なぜプレコンセプションケアが必要なの?
妊娠は、女性の体だけでなく、パートナーの体の状態にも大きく影響されます。また、特に妊娠初期の赤ちゃんの成長は非常にデリケートです。
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赤ちゃんの健康のため: 妊娠前から母体や父体の健康状態を整えることで、流産や早産のリスクを減らし、赤ちゃんの先天的な異常を予防する助けになります。
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女性自身の健康のため: 妊娠・出産は体に大きな負担がかかります。妊娠前から貧血や持病の管理、栄養状態を整えておくことで、妊娠中のトラブルを減らし、安全な出産につなげます。
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パートナーの健康のため: 精子の質や量は男性の健康状態に影響されます。パートナーも一緒に健康管理に取り組むことが、妊活成功の鍵になります。
プレコンセプションケアの具体的な内容
プレコンセプションケアでチェック・改善すべき主な項目は以下の通りです。
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生活習慣の改善
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禁煙・節酒: 妊娠を希望するなら、ご夫婦ともに禁煙・節酒は必須です。
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適度な運動: 肥満や痩せすぎは妊娠に影響します。適度な運動で標準体重を目指します。
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質の高い睡眠: ストレス軽減とホルモンバランスのために重要です。
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栄養状態のチェックと改善
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葉酸の摂取: 妊娠初期の赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを減らすため、妊娠の1ヶ月以上前から葉酸を摂取することが推奨されています。
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バランスの取れた食事: 鉄分やカルシウムなど、必要な栄養素が不足していないか見直します。
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既往歴・持病の確認と管理
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歯科検診: 歯周病は早産のリスクを高めることが指摘されています。
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持病の管理: 糖尿病や甲状腺疾患など、持病がある場合は妊娠前に主治医と相談し、病状を安定させます。
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風疹などの抗体チェック: 妊娠中に感染すると赤ちゃんに影響が出る感染症の抗体を確認します。
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心の健康(メンタルケア)
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ストレス管理: 妊娠中のストレスは心身に影響します。妊娠前からストレス対処法を身につけておくことが大切です。
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パートナーとの対話: 妊娠や育児に関する考えを共有し、協力体制を築きます。
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プレコンセプションケアにハーブの力を
プレコンセプションケアの一環として、心身のリラックスと栄養サポートにハーブをご提案しています。
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ラズベリーリーフ: 「安産のハーブ」とも呼ばれ、子宮の働きをサポートすると言われています(妊娠後期に推奨されることが多いですが、摂取時期は専門家にご相談ください)。
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カモミール: ストレスや不安を和らげ、質の良い睡眠をサポートします。
プレコンセプションケアは、妊娠・出産を考えているご夫婦にとって、**「未来の赤ちゃんへの最初の贈り物」**です。ぜひ、パートナーと一緒に健康を見直す良い機会にしてくださいね。
