
そういえば、ふと思ったんですけど。今の季節、7月の新潟の光って、もしかして冬とは別の意味で「天然のステンドグラス」効果が、最高潮に達しているんじゃないかって。
冬のステンドグラスが「しっとりとした、厳かな芸術品」だとしたら、夏のはじまりの光は「もっと野生的で、爆発的な生命力の輝き」ですよね。
冬のグレーな空の下、縮こまっていた日々が嘘みたい。7月に入ってからの新潟は、太陽のエネルギー量が桁違いです。もう、容赦がない。
特に、この時期の田んぼ道を車で走っている時や、近所の山際を散歩している時に感じるんですよ。
見渡す限りの田んぼの稲が、太陽の光をこれでもかと浴びて、一斉に「私たちが主役よ!」とばかりに、鮮やかな黄緑色を放っている。その光景といったらもう。
例えるなら……そうですね。今までずっと白黒テレビで見ていた大自然のドキュメンタリー番組が、突然4Kの超高画質カラー映像に切り替わって、画面から光が飛び出してきた、みたいな感覚に近いかも(笑)。
もちろん、ただ明るいだけじゃありません。この「ステンドグラス」の主役は、間違いなく「新緑」の力です。
新潟の豊かな水と土で育った木々や草花が、たっぷりと水分を含んでいて、その一枚一枚が小さなレンズみたいになっている。
そこに、7月の強い太陽光が差し込むと、光が葉を透過したり、表面で乱反射したりして、景色全体がまるで内側から発光しているかのような、濃厚な黄緑色のフィルターがかかった世界になるんです。
車を運転していて、ふと視界の端に映る木々の緑が、あまりに鮮やかすぎて、「え、今の、CG?」って二度見しちゃうこともありますよ。……いや、本当に。
そして、その光を全身に浴びている、古民家や、味のある古い看板、あるいは道端のお地蔵さんなんかが、この強烈な緑の光とコントラストを生み出して、一つの完成されたアート作品みたいに見える瞬間がある。
例えるなら、そうですね……。お気に入りの真っ白なTシャツに、うっかりミートソースを飛ばしちゃって、「あーあ」と落ち込みながらも、そのシミの形が偶然にも「世界的アーティストの描いた抽象画」に見えてきて、「これはこれでアリかも」と、謎の自信を持って街を歩く、あの瞬間に似ているかもしれません(笑)。……やっぱり、ちょっと違うかな。
まあ、要するに、新潟の7月の光は、日常の「田舎の風景」を、一瞬だけ最高にドラマチックな「緑の宝石箱」に変えてくれる魔法みたいな力があるんじゃないかな、と。
それは、もしかしたら、この土地が抱えている「圧倒的な自然の豊かさ」の証なのかもしれませんね。新潟の夏は、暑くて湿気もすごくて、外に出るのが億劫になる日も多いけれど、その分、この時期の光と緑の輝きは、他では味わえないくらい力強くて美しい。
あ、余談ですが、この「ステンドグラス」効果を一番感じるのは、実は夕暮れ時の直前、まだ明るさが残っている時間帯の田んぼ道だったりします。
太陽が沈みかけて、光が少しだけオレンジ色を帯びてくると、それまでの黄緑色がさらに深みを増して、景色全体が黄金色と深い緑のグラデーションに染まっていく。
その中を、トラクターが走っていたり、カエルの合唱が聞こえてきたりする日常の風景が、窓の外の光と相まって、一つの壮大な映画のワンシーンみたいになるんですよね。
だから、新潟の7月は、外に出るのは大変だけど、たまには窓枠というフレームを通して、この街の光景を切り取ってみるのも面白いかも。
きっと、あなただけの、まぶしい「ステンドグラス」が、すぐそこにあるはずです。
……たぶん、きっと。