ゴールデンウィークもいよいよ佳境。
というか、そもそも黄金週間とは何ですか?と耳を塞ぎたくなる日常を過されている方も多いことでしょう。
私はというと、既に職を失ってから驚異の90日に達しそうです。もはや賢者の域にでも達してしまい悟りでも開こうかなと考えている始末。
両親もいよいよ職について口うるさく言わなくなりました。
もともと口うるさい両親ではないのですが、これ以上心配も掛けられません故。
そろそろ切腹でもして詫びようかなと考えていた所以、
父上から開口一番、こんなお言葉を頂戴しました。
「山菜採り、行くか?」
ずっと家に引き篭もっている私を心配しての一言だったのでしょう。
正直、時間が勿体ないという言葉しか僕には思いつきませんでしたが、その反面、山菜取りの行方不明者も最近増えていましたので、渋々同行することに致しました。
もちろん私の家が所有している私有地での山菜採りです。
早速、軍手、袋、熊除けの鈴(なぜか自分が持つことに・・・)を持参し軽トラに乗り込みます。忘れ物は無い。車で走ること約10分。
立ち入り禁止看板を縛ってあるロープを取り外し、さらに軽トラで進みます。
実は以前、ここで行方不明になりかけた山菜採りのおじさんを発見したので、今年もまた出くわすか少し楽しみにしておりました。
軽トラを降りて道なき道を今度は足で歩いて進みます。引き篭もって家にいるだけでは感じられない音や光、そして虫や鳥の鳴き声、森の匂い。
そうか、外に出るって気持ちがいいなぁって改めて思った。
思えばたくさんの仕事を転々としてきて僕に合う仕事はこの世の中に無いのかなとさえ思っていた。
見つからないことを世の中のせいにして、自分で足を踏み出すことを忘れていた。
前に進んだ先にはワラビ、ゼンマイといったたくさんの山菜が広がっていた。
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行く道はかなり険しいし、もうやめようかなと思って何度も足を踏み留める。
だけど、その先のさらに一歩前に進むだけで見えてくる世界は随分変わる。
山菜採りも捨てたもんじゃない。
危険だけどね。
山登りとはまた違う経験を僕は味わうことができた。
連れ出してくれた父上に感謝の言葉も言えぬまま、普段取りの夕食を食べ一日を終えた。
では、今日はこの辺で。